Young Cooperation 青年交流

日露学術ウェビナー「日露の美術史研究」

2021年4月13日、国際青年学術フォーラム「ロモノーソフ」の枠内で、日露学術ウェビナー「日露の美術史研究」がZoomで開催されました。このウェビナーでは、モスクワ国立大学と北海道大学の代表が自身の研究等について語りました。

このウェビナーには、モスクワ国立大学歴史学部美術史学科に所属する若手研究者と北海道大学の美術史専門家のほか、日露の学生が参加しました。

モスクワ国立大学歴史学部のマリーナ・ロプホワ上級講師は、学部生と修士課程の大学院生用に開講されている「美術の世界史」プログラムについて紹介しました。ロプホワ上級講師は、「本学の学生は伝統的に、古代から現代までの美術に関する歴史を学んでいます。これは、芸術の理論や方法論とともに私たちの主要な科目」と指摘しました。伝統的な講義以外にも、モスクワ国立大学の学生達は、特別授業やセミナーに参加することができます。これは学部生にとって自身の将来の専門性を決める機会になります。

北海道大学の谷古宇尚教授は、様々なディシプリンに基づく教育経験について説明しました。谷古宇教授は、「芸術学研究室の歴史はそれほど長くなく、この分野を専門にする教授は少ないです。研究室は、美学と美術史、文化人類学、そして博物館学という3つの分野からなります」と指摘しました。同教授はイタリア美術史を専門にしています。

北海道大学では、現代美術も研究されています。谷古宇教授は「現代美術を研究できる場所は日本では少なく、本学はそのうちの一つ」と指摘しました。

北海道大学では、学芸員の養成に力を入れています。今村信隆准教授は、「日本では、博物館学や学芸員養成の問題が注目されています。その理由は、学芸員資格制度が彼らの能力を保証しているわけではなく、また多くの学芸員は専門スキルを伸ばして新たな知識を得る時間が限られていることに関係しているため」と指摘しました。

このウェビナーは上手くいきました。日露の学生や若手研究者は、日露の大学における美術史教育のほか、モスクワ国立大学や北海道大学での学術研究の基本動向について多くを知ることができました。これらの情報は、協定校への留学を考えている日露の学生にとって非常に有益なものとなりました。