Young Cooperation 青年交流

オンライン日露分野横断ンシンポジウム

2021年4月21日、国際青年学術フォーラム「ロモノーソフ」の枠内で、オンライン日露分野横断シンポジウムが開催されました。このシンポジウムには、日露を代表する大学から若手研究者や学生が参加しました。大学は、モスクワ国立大学、ヤロスラヴリ国立大学、南部連邦大学、国民経済・国家公務アカデミー付属北西行政大学、ロシア科学アカデミー考古学研究所、北海道大学、新潟大学、東海大学および千葉大学です。

シンポジウムの参加者は、人文科学や社会科学等の研究成果について意見交換したほか、地域研究に関する諸問題についても言及しました。

シンポジウムのモデレーターは、日露学生連盟共同代表兼モスクワ国立大学学生連盟代表のジマコワ・エカテリーナさんが務めました。冒頭挨拶は、モスクワ国立大学・北海道大学共同事務所長兼北海道大学アイヌ先住民族研究センター長の加藤博文教授、そしてモスクワ国立大学歴史学部のウラジスラフ・ジチェニョフ准教授が行いました。シンポジウム第一部の参加者は、考古学研究の成果について共有しました。特に、加藤教授は、旧石器時代から縄文時代初期への移行時における北海道の地域的特徴について語りました。ジチェニョフ准教授は、「南ウラルの壁画が描かれた旧石器時代後期の洞窟:新しいデータ」と題する報告を行いました。モスクワ国立大学歴史学部の女子学生ユリア・クジミノワさんは、後期旧石器時代の住居跡目録にある幾何学的な微小石について報告しました。ロシア科学アカデミー考古学研究所の大学院生ナタリア・ヴィクロワさんは、「後期旧石器時代中葉におけるチコイ川流域(ザバイカル地方西部)」と題して発表しました。また、北海道大学大学院生のゴメス・アマンダさんとウラノフ・アレクサンドルさんは、考古学研究における民族学的手法の活用と北海道での小型刃物研究の展望に着目したプレゼンを行いました。

シンポジウム第二部では、日露における言語学、文化や経済に関する報告がなされました。モスクワ国立大学付属アジア・アフリカ諸国学院の学生であるラジュク・ニキータさん、クズネツォワ・エレーナさん、ナウモフ・セルゲイさん及びパラギナ・アレクサンドラさんは、日本語と日本文学の言語的・芸術的特性や、日本の文化的・経済的見通しについて報告しました。東海大学のユニバーシティビューロー付(国際・ユーラシア担当)のグラディシェヴァ・ヤロスラヴァ助教と佐藤優作さんは、コロナ禍におけるリモート授業への対応について発表しました。ヤロスラヴリ国立大学の女子学生フォキナ・エカテリーナさんは、三浦建太郎氏の漫画『ベルセルク』を例に、戦士の原型の実現過程を説明しました。南部連邦大学の女子学生ボグスラフスカヤ・マリヤさんは、日本における理論思考の形成について語りました。国民経済・国家公務アカデミー付属北西行政大学の女子学生ドルゴポロヴァ・ポリーナさんは、日本の広告会社が使用するビジュアル画像の特徴に関する調査データを紹介しました。モスクワ国立大学哲学部の女子学生エロヒナ・リリヤさんは、日本の世俗化プロセスの特徴について発表しました。

シンポジウムの最後では、このような分野横断的なイベントが、日露の歴史や文化に関する多くの問題を理解・研究する可能性を若手研究者に与え、ひいては両国関係の発展に資すると指摘されました。